Apart From The Crowd The BeckiesVelvet Tinmine:
20 Junk Shop Glam Ravers
Boobs:
The Junkshop Glam Discotheque
Glitterbest:
20 Pre-Punk N Glam Terrace Stomp
Power Pop Planet
(The Lost Tapes)
    
元ザ・クイックのダニーワイルドがイアン・アインスワースと共に結成したグレート・ビルディングス唯一の1st(1981年)。元ザ・クイックとは言っても彼等はvo.とba.担当だっただけ。このバンドではほぼダニー/イアン(gt.フィル)の共作。ダニーワイルドの曲作りとしての最初もこのバンドからなんでしょう。それもあって系統は一緒であってもモッズ・リバイバルなクイックの音よりもニューウェイヴ感も感じるUSパワーポップが鳴らされます。何と言っても冒頭3曲がスゴイ。#1「Hold On To Something」。1曲目から代表曲!ライノの『Poptopia!』にも収録されてたね。ザ・エーズと20/20を混ぜ合わせたかのようなドライブ感とキャッチーさが抜群に気持ちがイイ〜!#2「...And The Light Goes On」。金属的なギター音がかなり気になりますが、パワーポップにおけるグッド・メロディとサビのフックがめっちゃ気分を高揚させる。#3「Dream That Never Dies」。3曲目も引続きポップロックの佳曲。ダニーワイルドはこのバンドの後にレンブランツとして軽快ポップな「I'll Be There For You」のヒットを飛ばすわけですが、この曲の始まりはちょっとそれっぽい?高音への転調部なんかはルビナーズな感じもある。ダニーの声カッコイイね。初期のポリスのようなニューウェイヴありつつヒリヒリした雰囲気の#4「Combat Zone」。これは聴くほどに好きになる曲だ。#5「Maybe It's You」。ハード・ドライヴィングなロック#。80sハードロックとも言えなくもないね。#6「One Way Out」。イアン単独作。メロディックでハーモニー/コーラスを駆使したミドルチューン。5曲目まで突っ走りだったのもあって程良いアクセント。#7「Another Day In My Life」はイントロから20/20の名パワーポップ「Fast Car」を彷彿とさせる。『Sex Trap』は1982年だからこっちが先か。「Fast Car」はロックンロールに振れるけどこの曲はもうちょいポップ寄りだね。後半のギターソロはちょっとナックぽい気がするけど、どうでしょう?#8「Heartbreak」。ダニー単独作。ラブ・バラードを歌い上げるかと思いきや、一気に加速する。静と動を織り込みながらリスナーを惹きつける。ライブで聴きたい曲。#9「Love Goes Blind」。先に書いたレンブランツの他ダニーはソロ作もいくつか発表してて、その音楽性はストレートなアメリカンロック調。この曲はまさにその嗜好がモロに出た曲。このアルバムを通しで聴いてたらこんなピュアなロック#もあるんだって感じですね。そのままラストを飾る#10「Apart From The Crowd」も同系。イアン作。メロディの良さもさることながらアレンジワークも細かくて音楽性の広さを感じさせる曲◎◎とても好きな曲。以上、全10曲。このアルバムを安易に表現すればザ・クイックとレンブランツの中間の音と言えますが、人によってはこの時代ならではの音作りが好みでないかもしれない。実は今回彼等を取り上げるのにあたって迷ったのが『Extra Epic Everything』。これ、お蔵入りになった2nd音源なんですが、gt.フィルの共作参加率が上がってるので今作1stの前半の曲(特にgt.フィルも共作にクレッジットされてる冒頭3曲)、さらにはもっとタイトなパワーポップ/ロックンロールな感じが好きなら是非とも聴いてみてください。 グラムロックが好きになり、もっともっといろんな曲を聴いてみたい!と思っていた時に大きな情報源となったコンピ企画がありました。それがRPMレコーズの"Lipsmackin 70's"シリーズ。このシリーズは僕の知る限りでは6枚出ていますが、今回は70sのグラムロックやバブルガムポップ、ニッチポップを中心にメジャーどころをあえて外して、シングルで消えていったB級バンド/一発屋orヒットさえしなかった泡沫のアーティストを沢山聴かせてくれる1枚を選びました。しかもどの曲もレア感だけじゃなくて質も最高の域なんだから参ってしまいます。#1「Rebels Rule」(アイアン・ヴァージン)。これぞグリッターチューンというべき曲。ランナウェイズ「California Paradise」はこの曲を元ネタに作ったんじゃないの?このリズム隊タマらんね。#2「Another School Day」(ハロー)は「Tell Him」でご存知のグラムロックバンドの3rdシングル。この曲もグラムロックを聴き続けていれば必ずぶち当たる曲。この曲を源流として永遠と時代が進めばレニークラヴィッツ「Are You Gonna Go My Way」に辿り着くのでは?って勝手な想像です。#3「Lets Get The Party Going」(ワーウィック)。チニチャップ作の佳曲。ちょっとボブ・ディランぽい歌いまわしをアクセントにしながら極上のメロディで進む。最高!#4「Morning Bird」(ザ・ダムド)。詳細不明だけど『Damned Damned Damned』とは同名異バンド?(もしかしたら、ブライアン・ジェームスの初期バンドかも?情報求む)。モロにマークボランなグラムロック#で◎。ちなみにパンクバンド、ダムドもスウィート「Ballroom Blitz」演ってますね。#5「Kick Your Boots Off」(シスターズ)。全くもって素性は分からないけどスレイドのフォロワーってのは聴いてすぐに分かります(笑)。#6「Big Wheels Turning」(フレイム)。個人的にはかなり好きな曲だ。女性Vo.のようだが男性のようだ。最初騙されました(笑)。ちょっとストーンズの「Jumpin' Jack Flash」「Brown Sugar」を彷彿とさせる瞬間もありめっちゃカッコイイ!90s以降だったらダンディ・ウォーホルズ「Bohemian Like You」に通じます◎◎。#7「Toughen Up」(ジ・アロウズ)。この盤の中では筆頭の有名どころ?「I Love Rock N Roll」のアロウズです。彼等はイイ曲沢山ありますがココでチョイスされているのはトロッグス×パートリッジファミリーなロックチューン。#8「Let's Do It Again」(クランチ)。これはグラムロックど真ん中!大好きな曲です。タテノリポップでゴキゲン。#9「Rock Star」(ビアデッド・レディ)。グラムロックというより純粋なロックンロール#。連呼されるライライライに脳が侵されます・・・。#10「Baby (I Gotta Go)」(サイモン・ターナー)。今や映画音楽の一流アレンジャーも以前は子役上がりのポップシンガーだった。「Let's Spend The Night Together」のBメロのようなリフが永遠バックで繰り返されてコレも脳が侵されます・・・。#11「Va Va Va Voon」(ブレット・スマイリー)。裏側のデビッドボウイというべき大好きなブレット・スマイリーのシングル曲。この曲だけでもグラムロックヒーローとしてビビっとくるのでは?是非『Breathlessly Brett』も聴いてみてください。奇しくもデビッドボウイが亡くなる2日前に彼も亡くなってしまいました。。#12「Love Machine」(シャキーン)。バブルガム〜ソフトロックな佳曲。エジソンライトハウスやパイロットを彷彿とさせるメロディラインでマークボラン似のVo.が乗る。あーポップで最高!#13「The Comets Are Coming」(ワシントン・フライヤーズ)。その後に訪れるパンク全盛期でも活躍するジミーエドワード在籍のグラムロックバンド。パワーポップ#「Another Saturday Morning」のシングルB面曲。ギターカッティングと哀愁感が逸品のポップ#。#14「Slippery Rock 70's」(ステイヴリー・メイクピース)。ニッチポップバンド、ルーテナント・ピジョンの前身バンドによるインスト#。こんな曲まで収録するんだから恐るべきコンピ(笑)。当然グラム感はありますけどね。#15「Neo City」(プロッド)。コレはカッコイイ!一押し曲です。グラマラスなロックンロール#。なんと20歳くらいのマーティン・ニューウェルがVo.で結成したバンドのお蔵になった75年作から。アルバムの他の曲も良さそうでめっちゃ欲しい!#16「I Wanna Go To A Disco」(リッキー・ワイルド)。シルヴェイン・シルヴェインよろしくな軽快なナンバーで大好き。Zappoこと親父のマーティー・ワイルドの曲だ。ちなみにお姉ちゃんは「Kids In America」のキム・ワイルドです。#17「Bay City Rollers We Love You」(タータン・ホード)。このコンピをゲットした時に真っ先に聴いた。ニックロウが変名で発表したシングル曲。ベイ・シティローラーズよりもウォンブルズって言ったほうがしっくりきます。ポップフリーク必聴。#18「Shake A Tail Part 1」(ビッグホイール)はグラムポッパー、バリーブルーがプロデュースしたゴリゴリのグラムロックなほぼインスト#だ。ラスト2曲はいずれもカヴァー。#19「Wild Thing」(ファンシー)はトロッグスのカヴァー。ちょっとサンプリングを施したような出来栄え。ショワディワディも絡んでるようだ。#20「Kick Out The Jams」(タブサンピング※バンド名?)。MC5のカヴァーだがこれはマッシュアップ。スウィートで始まりT.レックスが入ってくる。原曲どこへやら(笑)。このコンピの終わりとしては非常に良いのかもね。以上、全20曲。オススメです。ちなみにこのコンピは"Lipsmackin 70's"シリーズ終了後に再発してます。曲が入れ替わっているので下記で紹介しときます。
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※再発盤では選曲/曲順が異なります。ザ・ダムド、クランチ、ビアデット・レディ、シャキーンの4曲が外され新たに4曲選曲されてます。再発盤#2「Down At The Club」(ケイオス)。スージー・クアトロの二番煎じ(笑)、でもすごく良い。パンク時代には名プロデューサーになるマーティン・ラッシェント在籍。再発盤#5「Clap Your Hands」(ワイルド・エンジェルス)。ボニー・セント・クレアのカヴァーかな。実際のタイトルは & Stamp Your Feetが続くと思ったけど?別グラムロックコンピでこの曲(ボニー・セント・クレアのほう)を知った当時速攻買いました。バブルガムなこの曲はグラムロックの代名詞と言って良いでしょう。「手を叩け!足を鳴らせ!」ってもう「みんなの歌」レベルの歌詞だけどパーティソングってそういうものだよね。再発でクランチが外されたのは損失ですがこの曲はそれを補っていますね。再発盤#11「Fraulein Love」(アリステア・リデル。※ジャケに誤植:彼の唯一のアルバムタイトル『Space Waltz』がアーティスト名になっています)。74年に1枚アルバム出しているニュージーランドのグラムロッカー。まさにボウイ・フォロワーな曲。アルバムも聴いてみたい。再発盤#16「Eight Days A Week」(クリスティン・スパークル)。グラムロックなビートルズのカヴァー。ゲイリーグリッター節なアレンジありと彼女もスージー・クアトロに続けって感じなのかな?ナイス・カヴァーですね!以上。正規と再発どちらが好みか甲乙つけがたい・・どっちも正解ってことで!
RPMレコーズからの70sグラムロック探求の指針となるコンピ"Lipsmackin 70's"シリーズの第3弾。前回、同シリーズ第1弾『Velvet Tinmine』を紹介しましたが、本コンピはニッチポップやBCRなどのティーンポップ度は減退してハードでブギーなグラムロック本来の姿を現しためちゃくちゃイカした曲が揃ってます。グラムロックブーム後期の出涸らし/泡沫アーティストなのかもしれませんがハードな音はメジャーどころに当たり負けしません。なので日の目を見なかったバンドが中心ではありますが、今ではそれなりに評価されてるバンドも多い。ではでは、#1「Turtle Dove」(ザ・ラッツ)。もう1曲目からハイライト#。T.レックスがパワーポップを演ったらこんな感じかもね。#2「Wired Up」(ヘクター)も疾走感溢れる名曲。グラムロックンロールと呼んでしまおう。ヘクターは他の曲も最高で「Bye Bye Bad Days」も大好き。言わずもがな必聴バンドです。#3「Interplanetary Twist」(スクリーマー)はフォロワーとしての立ち位置を前面にだした曲。完全なるデヴッド・ボウイで始まり思いっきりスウィートを引用してくる。仕掛けが沢山あるこの手のバンドは個人的には大好きなんだけど。#4「Albatross」(チャンキー)。他のグラムロックコンピでも見かけるある意味定番曲か。まさにT.レックス的ブギーなミドルチューン。ハーモニーからハマってるけど、エレピ?な音が若干のアレンジとしての特徴か。#5「Motorboat」(ジミー・ジュークボックス)。キム・フォウリー(&相棒ミッシェル・ロイド)による変名バンドによる最高なポップチューン。大好きだ。レッドクロス(正確にはスティーヴ・マクドナルド・グループ)がカヴァーしてて最初に僕はそちらから知りました。#6「(Dance With The) Guitar Man」(シェルビー・フリント)はビーチボーイズやファーストクラスのような、けたたましい高音vo.とコーラス/ハーモニーで畳みかけてくる。歪ませたギターでグラム感を演出。#7「Jungle」(エラスムス・コーラム)。ラム・ジャム「Black Betty」に通じるファンキーH/R。ズンドコなノリ、エレピも絡んでくる。#8「Love Is Alright (Hey)」(ホット・ロッド)。個人的なお気に入り。ピアノでのメロディとまとわりつくファズギターだけで十分大好きなんですけどR&Bな熱いvo.も一体となって最高にカッコイイなー。#9「Black Eyed Woman」(ザ・センセイション)。このコンピのコンセプトにおける本格派グラムロックと言える。繰り返すブギーなリフがグラムロックなんだけど、正統派ロックンロールで問題なしだ。怪しさ全開のナキのギターもイイ感じ。#10「Natural Gas」(ポール・ライアン)はポップなマークボランってな感じで嫌いな訳ない。バックの音はやはり激しくニッチさは感じられないね。#11「Little Bit O' Soul」(アイアン・クロス)はナゲッツのコンピにも収録されてたザ・ミュージック・エクスプロージョンのカヴァー。今で言えばアンドリューW.K.のような声がとても映えて、グラムロックとしてもグッチョイスでしょう。#12「Don't Let Go」(ザ・ライト・ファンタスティック)。スウィート関連のグラムポップバンドですが、遡ればザ・ヴォーグスとザ・モンタナスが母体ってのが良くある驚き。タテノリ全開のロックチューンで◎◎。#13「Let Your Hair Hang Down」(カタパルト)。個人的なマイベストかな?メロディアスなフックが古さを感じさせない。ブラス取入れたポップ好きには断然オススメ。僕があるバンドのプロデューサーならカヴァーさせるな(笑)。必聴。#14「Good Time Fanny」(エンジェル)。これはグラムロック好きで知らぬ者はおらぬほど局地的メジャーどころ。これはパワーポップでしょう。最高なキラーチューン。ちなみにスウィートのアンディ作であります。#15「Poor Annie」(バリー・ブラッド)。メロディラインは初期ビーチボーイズなサーフポップなんだけど、そこはグラムロックとしてブギーを盛り付けしてね。聴くならやっぱ夏だな。とても好きな曲。#16「Shout It Out」(アイス・クリーム)。スレイド、マッド、キッスのフォロワーでこのコンピの中では1番世の中のグラムロックイメージに1番近いかも。サビのユニゾンコーラスはやっぱトキメク♪嫌いな人いるのか?#17「Did You Get What You Wanted」(ボストン・ボッパーズ)。スージークアトロ的なファズギターチューン。追っかけコーラスがとてもキャッチー。おゾロしいvo.もイイ味を醸し出してる。#18「Baby」(ザ・センセーション)。再び登場のセンセーション。基本路線は「Black Eyed Woman」同様ですが、とにかくベイベーを連呼している。#19「She's Just A Friend Of Mine」(ホブネイル)。T.レックス×ウォンブルズなバブルガムなグラムポップ。イイとこ取りだねー(゚∀゚)。ラストの#20「Let's Go」(ロック・レベリオン)はインスト。ハンドクラップと「レッツゴー」の掛け声、ギターやホーンのソロパートもあって場を盛り上げるにはおあつらえむき。以上、20曲。ここまで来たら次回は『Glitterbest: 20 Pre-Punk N Glam Terrace Stomp』をあげるしかないですね。 RPMレコーズからの70sグラムロック探求の指針となるコンピ"Lipsmackin 70's"シリーズ3部作の1枚。70sUKにおいてシングルで消えていったアーティストが中心。中にはその後それなりに界隈では有名になるバンドの前身バンドだったり原曲もあるのでカルト的ではあるがシリーズの中では関連付けがし易いかもしれない。グラムロックというよりはパンク寄りの楽曲が多いのでパワーポップやモッズリバイバルのファンにはもってこいのコンピです。では、#1「You Really Got Me」(ザ・ハマースミス・ゴリラズ)。フランスのパンクレーベル、スカイドックのコンピにてゴリラズ名義の「Be My Shining Star」「Gatecrusher」を聴いた時にパンクってよりグラム寄りだなと感じた覚えがありますが、やはりこちらのコンピに登場。しかもキンクスのカヴァーをかましてくれます。めっちゃカッコイイ!個人的にはヴァンヘイレンよりこっちだなあ(笑)。#2「Bang Bang Bullet」(ロス・ストリークス)はストーンズ要素をふんだんに沁み込ませたグラムロックで最高にイカしています(゚∀゚)!。#3「Aggravation Place」(ザ・ジョーク)は僕的ハイライト・チューン。パワーポップマナーにそったコード進行にグッとくる。レコーズとかその辺が好きな人も是非とも聴いてほしい佳曲。#4「Nothing To Do With Us」(ジェット)。スパークスのマーティン・ゴードンを中心にザ・ナイスやジョンズ・チルドレンの面子によって結成されているので泡沫組というには大物(笑)過ぎませんか?ズバリ、スパークスをパワーポップにしたかのようなモダンポップの佳曲。#5「Good Friends」(ミルクン・クッキーズ)。ジェット同様にそこそこ名が知れているバンド。この曲はシングルB面曲(僕の持っている1977年の1stではボートラだった)。vo.の声質から甘めに聞こえるが正真正銘のパンクロック。実はこのバンド、アルバムを最初に聴いた時は全く受け付けなかったんですけど今となってはニッチポップの名バンドといえますね。#6「Sooner Or Later」(フリントロック)。僕的にはメジャーどころが続く。BCRの二番煎じというかフォロワーで、バスターやデッド・エンド・キッズのようなティーンポップバンド。「Dawn」が1番のヒット曲だけどグラムロックコンピとしては断然こっちですね!ちなみにコレもシングルB面曲(やはり僕の持っているアルバムではボートラ)。シングルB面は聞き逃せませんね。#7「Crazy Kids」(トレヴァー・ホワイト)。先述のザ・ジョークのフロントマンによる流れるようなロックチューン。バックにはジェットのメンバーも参加とのこと。グラムロック=良質ロックンロールだと認識させてくれる曲だ。最高!#8「Jam Jam」(アメリカン・ジャズ・バンド)。ズンドコで重低音なドラムがまさにグラムロック!女性vo.だがスージークアトロほどアゲアゲ感はなく音に合わせたどっしりした感じ。マークボランのような歌い上げもあってイイです。#9「You Won't Come」(スパンキー・スパイダー)。あきらかにグラムではあるのだけどサイケがかったアレンジが特徴。エレピ?も効いてる。音的にはアリスクーパーに近いですね。#10「Goodbye」(ワン・ヒット・ワンダーズ)。マッドやケニーの曲をキーボード主体で押し進めたって感じ。声や歌い方はパンキッシュでそのギャップがまたイイですね。疾走感のあるカッコイイ曲でお気に入り。#11「All For The Love Of City Lights」(ドッグ・ローズ)。モット・ザ・フープルをバブルガム寄りにした感じ。他のバンドよりもパワーは感じないがメロディラインの良さで聴かせるまさにシングル#といった曲だ。#12「I Need You」(ヘルター・スケルター)。後述するクラッシュド・バトラーのジェシー・ヘクターの後バンド。ソニックスやトロッグスのようなシンプルなブリティッシュビートながらファズギター効かせまくったパンク#。ビブラートの効かせ方はマークボランぽいね。この後にバンドはザ・ハマースミス・ゴリラズへと移行される。#13「Coast To Coast」(ダックス・デラックス)。パブロックの雄。僕の中でダックス・デラックスは2nd収録のパワーポップ「Love's Melody」なんですがこの曲は1973年1stの1曲目。リフはグラムロック的ではあるけれど純粋な70sUKロックとしてのほうが分かりやすい。#14「Ain't Misbehavin'」(タイガー・リリー)。この盤1番のポップソング。原曲はジャズ(ファッツ・ウォーラー)のようだが、いかにもな英国調メロディでロマンティック◎◎。初期ロキシーミュージックやレイ・デイビスも思い浮かべちゃう。その正体は後のウルトラヴォックスとのこと。#15「Pogo Dancing」(クリス・スペディング&ザ・ヴァイブレーターズ)。ボウイの「Suffragette City」から派生したようなノリの良いパンクロック。新人ヴァイブレーターズの貴重な音源でもありますね。そこからの#16「Sweet Sweet Heart」(ディスペアー)はヴァイブレーターズのフロントマン、ノックスが在籍したバンド。この曲はヴァイブレーターズ1stでも再録されますが、この原曲はシンプルで全く表情が違う。ズンドコ感がグラムロック的ですかね。#17「Fat Judy」(ザ・ファーム)。ファッション・ファームはフォークを基調としてサイケ感もあるファズパンクで好きでした。この曲はザ・ファーム変名後すぐのシングルのようだ。変わらずロックスピリッツに溢れてる。#18「High School Dropout」(クラッシュド・バトラー)。この界隈ではキーマンの1人であろうジェシー・ヘクターのバンド。イントロからストーンズの曲が始まるかと思いきやエディ・コクランのようなベルベット・ボイスが乗っかる。チンピラ感のあるアーシーなロック#。僕的には「It's My Life」のほうがコンピにあってる気がしますが。#19「City Of Fun」(イングランドズ・グローリー)。ジ・オンリーワンズのピーターペレットが組んでいたバンド。この曲自体もオンリーワンズ1stで再録されてる。ココにおいての「City Of Fun」はベルベッツの影響大のミディアムロックな出来。ルーリードのような脱力感のある感じはより強めか。ラストの#20「Sick On You」(ハリウッド・ブラッツ)は言わずと知れたザ・ボーイズのカジノ・スティール在籍のバンド。この曲もザ・ボーイズ1stの冒頭曲であり代表曲の1つ。その後パンクに昇華される前の生々しいロックの原曲が。ハリウッド・ブラッツは見た目も曲もホントにカッコ良くて是非掘下げて欲しいバンド(「Little Old Wine Drinker Me」とか必聴。)ニューヨーク・ドールズやシルヴァーヘッドにも匹敵しますね。以上、全20曲。シリーズ第1弾の『Velvet Tinmine』、第2弾である今回の『Glitterbest』、第3弾の『Boobs』。こんな気概のあるコンピこれからも期待したいです。 1981年にシングル1枚で消えてしまったUSパワーポップバンド、ザ・ビングス。40年の時を経て11曲入りのお蔵アルバムが発表されました。サウンドから当時の空気を感じることが出来つつ、2023年のリミックスによって新譜としても何ら見劣りすることのない内容にパワーポップフリークは歓喜のことでしょう。#1「Please Please Please」/#2「Oh, No!」が唯一発表のあった7"だ。80s直前にレコーズや20/20、シューズ、ロマンティックスといったパワーポップバンドが登場。ナックがヒットしたのもこの頃。それらの風をまともに浴びたかのようなサウンド。#1「Please Please Please」はラモーズマナーなメロディラインを持っていながらもパンクではなく、ロマンティックス的なパワーポップに仕上げられてる。個人的にはドンキーズの楽曲と相性がよさそうだなど。#2「Oh, No!」もまさにBomp!直系のパワーポップサウンド。この2曲で最高のシングルだな。で、驚かされる#3「Don't Stop Dancing」。120%完璧なパワーポップ。例えばロマンティックス「What I Like About You」やイノセンツ「Sooner Or Later」なんかとともにクラシック化しても良い出来だ。#4「There She Goes」でさらに驚く。このタイトルは多くの人はラーズの代名詞曲で認識している事と思うが、イントロが鳴った瞬間元ネタかも?って勘ぐってしまう音だったから(おそらく偶然でそんなことはないと思うが)。このメロディアスなミディアム・バラードがビッグスターやスポンジトーンズさえも守備範囲であることを知らしめる。ソリッドでリフ主体のロックッチューンである#5「She's Got The Power」。初期のチープトリックがそうであったようなアプローチだ。#6「Go Bye-Bye」は軽快/陽気なカントリーポップンロールと言える。南カリフォルニア出身らしいサウンドとも言えますね。#7「Close Your Eyes」も個人的なハイライト曲。強烈なフックにだけ頼らないパワーポップ。全体を包む良質メロディがめっちゃ心地良くて大好物な曲です。#8「Just A Child」。この曲こそライブにおいてのアンセム曲になり得るシンガロング必至な展開が胸躍らせる。#9「Hold On」もラズベリーズやバッドフィンガーのパワーポップルーツをしっかり受け継いでるナンバーで最高!#10「Billboard By The Highway」はザ・カーズ/コステロちっくな要素も漂させながら80sのポップフィールドにタイムスリップしたかのようだ。ラスト#11「Snowbound In Our Town」。これもめっちゃ良い曲。本当にこれが最後の曲なのか・・ビートルズ路線のアレンジも聞けるポップソングです。マジで優秀なバンドとしか言えない。自分が聴けて良かったと思うと同時に40年前にリリースされなかったクエスチョンも...。内容はまさにパワーポップだが一辺倒でないのがまさにパワーポップ・プラネットでありミックステープの趣だ。このアルバムが2023年の新譜として世の中を席巻して欲しいところだが、そうはならないことは知っている・・。でも僕の心は間違いなく渦巻いた。ほかに未発表曲があるのなら是非聴いてみたいですね。